飲食店も系統立てて整理すると、パターンは限られます。
確かに料理は世界中にさまざまなものがありますし、作る人が違えばまったく別のものになります。
飲食店の差別化とは
誰が見ても、一目でそのポイントを知れば、独自性があると認めることができることが差別化ポイントということになります。
これは事細かく説明しなければいけないようなものではなく、誰が聞いても納得できること、明快であることが大切です。
それは偶発的に用意できるわけではなく、他店と比較し、自身の店舗が持つポテンシャルを冷静に分析して見出すものです。
競合店あっての差別化
飲食店の差別化を図るためには比較する対象が必要です。
独自性は、競合店とひしめくフィールドがあってはじめて作りだすことができるものということです。
そのためには、自身の店舗がどのフィールドに属しているのかを理解する必要があります。
さまざまな軸があります。顧客の層、価格帯、そして提供しているメニューなどです。
めぼしい店舗をいくつか並べ、複数の軸でマッピングしてみてください。
得意なこと、好きなことが差別化に繋がるわけではない
そして、どの軸で秀でることができるかを考えます。
たとえばラーメンの相場が700円だとすれば、同じ品質で300円まで値段を下げることができれば、価格破壊として打って出ることができます。
逆に女性限定の店舗にすることで客層を絞り、サービスを洗練させることも差別化になります。
つまり、差別化とは他店とお客さんがいて、はじめて成立するということです。
自身が得意なこと、好きなことがそのまま差別化に繋がるわけではないということを認識することが重要です。
ライバル店を決めて自分の店のレベルを上げる
どのようなタイプの飲食店でも競合店、つまりライバルはあります。
ライバルの考え方としてもさまざまな観点がありますが、地域にひとつしかないジャンルの飲食店だからといってライバルがいないわけではありません。
すべての飲食店がライバル
その地域にラーメン店と複数のファミリーレストランがあるのだとすれば、ラーメン店も含めてすべての店舗がライバルということになります。
だからといって、ラーメン店がファミリーレストランのメニューを取り入れなければいけないわけではありません。
顧客が飲食店に求めるものは様々
さまざまな需要がお客さんにはあります。
駐車場がないファミリーレストランと駐車場があるラーメン店では、ラーメン店の方を選ぶ方もいます。
さらにラーメン店であっても、子ども向けのメニューを拡充することによって家族連れのお客さんを増やすこともできます。
このように、店のコンセプトを曲げることなく工夫する余地がたくさんあります。
大手チェーン店に勝つ方法
大手チェーン店と個人運営の店舗では勝負にならないと考える方も多いのですが、実運営レベルでは大差ないというのが実際です。
その地域にどのようなお客さんが多くて、どのような時間帯のどのようなシーンで外食するのかをしっかりと捉えることが重要です。
そしてそれに対して他店はどうアプローチしていて、なにが足りないのかということを見つけることができれば、個人運営でも大手チェーン店に打ち勝つことが可能です。
個人運営だからこそできる柔軟な運営が、この場合では武器になります。
まずはライバル店として研究する店舗を見つけると、より取り組みやすくなります。
顧客生涯価値を考える
顧客生涯価値という言葉があります。
経営学用語のひとつで、LTV(Life Time Value)と略されることもあります。
これはひとりのお客さんとの関わりで、どれだけ儲けることができるのかという指標です。
新規の顧客開拓が難しくなっている
一人のお客さんがどれだけの期間通ってくれて、いくら支払ってくれるのかということでもあります。
これを考えるためには、リピート頻度、一度の来店当たりの支払い金額などを掘り下げることにもなります。これを良くするためにはどのような取り組みが必要なのかということを考えることで、係るお客さんの人数は変わらないのに売上を上げることができるようになります。
どのようなビジネスでも共通していることですが、新規の顧客を開拓することが難しくなっています。
広告などを投じると、初回オーダーで黒字を取ることは至難の業です。
初回は赤字でも良いという考え方
そこで重要になるのが、このLTV(顧客生涯価値)です。
一度食いついてくれたらトータルしてどれだけの利益になるから、初回は赤字でも良いという考えに至ることができます。
粗利率と照らし合わせ、初回の来店にどれだけ費用をかけていいのかということが考えられます。
お客さんをしっかりと認識する
また、これは店舗運営をある程度開店させ、平均値が取れるようになってから考えることでもあります。
日々来店してくれるお客さんが、新規の方なのかリピーターなのかということをしっかりと判断できる必要もあります。
なぜなら、一度の来店でより支払いを高くしてもらうためにはどうするかということを探っていく取り組みになるためです。
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